ドラマや映画に映る警察署は本物? 正しい撮影許可の取り方とCG技術を使ったロケ撮影の例を紹介

ドラマや映画に映る警察署は本物? 正しい撮影許可の取り方とCG技術を使ったロケ撮影の例を紹介

 リーガルハイというドラマを観ていて、ふと警察署に目が留まりました。本物の警察署なら、撮影許可の取り方やロケ撮影が警察官の業務に影響がでないのか。架空の建物ならどのように撮影しているのか。気になったのでいろいろと調べてみました。その結果をこちらの記事でまとめていこうと思います。

ロケ撮影に警察は協力してくれるの?

 映画やドラマの撮影のことをロケ撮影といいます。

 原則として警察は撮影に協力してくれません。

 1つでも協力するとプロから素人まで様々な方から依頼が来てしまいますよね。

 では、映画やドラマ内に登場する警察署や消防署などの建物はどのように撮影しているのでしょうか?

作品内の警察署は本物? どうやって撮影している?

 結論として、本物の建物を撮影する場合と偽物の建物を撮影する場合があります。

本物の建物

  • 道路使用許可をとって入り口や外観だけ撮影
  • 警察署前のシーンは似たような場所で代用
  • 室内の撮影はオフィスレンタルを使って別の場所で行う

 警察の業務を妨害しない範囲で許可をとる必要があります。

 デメリットとして、ロケ撮影の自由度が低い点と申請した内容と違う点があれば警察の業務を妨害してしまうという点があります。

偽物の建物で撮影する場合

 レンタルできる建物にCGで警察署っぽくみせる方法があります。

 画像をよく見ると、CGで「OSCORP」と看板を追加していますね。

 この場合、CG技術が必要ですが、実在する建物で撮影できるのでロケ撮影の自由度が格段に上がります。

「劇用車」というレンタルサービスがある

 パトカーや救急車を貸し出してくれるサービスがあります。

 少し古い型になるようで最新のパトカーとは違うようですが、それでも借りることができます。

室内撮影はオフィスレンタルを使っている

 学校の机など部屋ごとレンタルできるサービスがあるようです。

 例えば、学校が舞台の映画やドラマを撮影する時は廃校をレンタルできる業者があります。

 しかし、警察署などの公共施設は中まで撮影させてもらえません。地上波で放送されるようなドラマ等であれば一部可能かもしれませんが。

 なので道路使用許可をとり、入り口からでるようなシーンだけ手早く撮影し、他は同じような風景の場所で撮影するなど工夫する必要があります。

警察署・消防署などの公共施設での撮影許可の取り方

 

 そのロケ撮影において、許可を求めるにはどのようにすれば良いのでしょうか。

 調べたところ、公共機関の撮影許可は警察署で手続きを行う必要があるようです。

道路使用許可が必要な行為

道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為(4号許可)

許可基準

1.現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき

2.許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき

3.現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

警察庁(一部抜粋)

申請に必要な書類

道路使用許可が必要な行為を行う場所を管轄する警察署長の許可(道路使用の許可行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する2以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの警察署長の許可)を受けなければなりません。

警察庁(一部抜粋)

 道路使用許可申請書(2通)と道路使用許可申請書の添付書類が必要です。

  路使用許可申請書 には、道路使用の場所又は区間の付近の見取図道路使用の方法又は形態等を補足するために公安委員会が必要と認めて定めた書類が必要です。

 一方、個人経営の店や鉄道会社など、それぞれに撮影の許可を取れば撮影することができるようですね。

 とにかく手続きがめんどくさいようで、地域によっては撮影許可を代行してくれる団体もあるようです。